株式会社インターアクション

株式会社インターアクション

トップメッセージ

クライアントファーストの精神を継承しながら、新たな成長の可能性も積極的に追求する。株主の皆様には、平素より格別なるご高配を賜りまして、心より感謝申し上げます。第29期より、新たに私が代表取締役社長に就任いたしました。ここに、当社第28期(2019年6月1日〜2020年5月31日)の事業の概況をご報告いたします。代表取締役社長 木地 伸雄

株主の皆様へ

創業時から磨き上げてきた「光学技術」を
他の中核事業にも生かしてさらなる成長へ

この度は社長ご就任おめでとうございます。
まずは新社長としての抱負についてお聞かせください。
 今期から私が代表取締役社長を務めることになり、先代は代表取締役会長に就任いたしました。まだ若輩者の私が重責を担うことに、不安を感じる株主様もいらっしゃるでしょう。私としては、5年程前から入念に準備を進め、創業者である現会長が築き上げてきたビジネスをしっかりと継承し、いっそうの発展に努める所存です。
 企業の強さは「継続性」にあると私は考えており、若くて優秀な人材を擁するという当社の強みを生かし、従来の路線を踏襲する方針です。そして、創業以来のモットーであるクライアントファースト(顧客最優先主義)をさらに推進し、継続的な発展をめざします。
 くしくも私が当社の取締役に就任したのは、リーマンショックが発生する直前の2008年6月でした。その後に訪れた苦境時と比べれば、当社グループの経営体質や財務状況は格段に強化されております。目先は極めて先行きが不透明となっていますが、過去の困難を乗り越えてきた経験を生かしながら、若さと情熱で経営に尽力し、世界一の会社となることをめざしますので、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に、経済環境が著しく悪化しております。
御社も6月12日に業績予想の修正を発表しましたが、第28期の事業環境はいかがでしたでしょうか?
 当社グループでは、①IoT関連事業、②環境エネルギー事業、③インダストリー4.0推進事業を3本の大きな柱として、ビジネスを展開しております。やはり、新型コロナウイルスの拡大は様々な方面において、先行きが不透明な状況をもたらしました。それぞれの事業ごとに、第28期の推移についてご説明いたします。
 IoT関連事業では、イメージセンサ(カメラの撮影素子)の生産工程における品質検査で用いる光源装置と瞳モジュールを主力製品としております。光源装置は上半期の受注高・売上高が想定よりも低水準で推移したのに加え、第4四半期に見込んでいた一部製品の売上への計上が来期へと後ろ倒しとなりました。下半期は概ね当初の予想通りの受注高を確保できたものの、新型コロナウイルスの影響で営業活動が制限され、上半期の遅れを取り戻すのが困難となりました。また、瞳モジュールは当初の見込みよりも需要が拡大せず、予想していた売上高を達成できませんでした。
 環境エネルギー事業セグメントでは、大量印刷を行うための印刷機(輪転機)とともに使用する乾燥脱臭装置や、工場向けの排ガス処理装置を製造・販売しています。足元では新型コロナウイルス感染症の拡大で広告の印刷が減少する一方、製造業全般で設備投資の意欲も低迷しています。その結果、乾燥脱臭装置と排ガス処理装置の販売台数は予想を下回りました。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による工事の延期や、顧客工場の稼働率低下に伴うメンテナンス需要の減少で、当初予想の売上高を確保できませんでした。
 インダストリー4.0推進事業では、主にディスプレイの生産工程で支障となる振動を取り除く除振装置と、歯車が設計図通りの形状となっているかどうかを検査する歯車試験機を製造・販売しています。除振装置では、第4四半期に見込んでいた一部の製品の売上計上が後ろ倒しになりました。新型コロナウイルスの影響で新規案件数も停滞し、主に海外向け製品の売上高が予想を下回りました。歯車試験機につきましても、国内の主要顧客である自動車関連が生産調整を実施し、設備投資の動きが停滞。ただ、新型コロナウイルス感染症が深刻化する以前は売上高が好調に推移しており、通期では前期と同水準の売上高を確保できました。
 これらの取り組みの結果、第28期における当社グループの売上高は7,083百万円(前期比11.3%減)、営業利益は1,555百万円(同21.4%減)、経常利益は1,545百万円(同20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,004百万円(同27.5%減)となりました。
第29期についてはどのような見通しを立て、どういった施策を進めていく方針ですか?
 新型コロナウイルス感染症の拡大が収束する兆しは依然として見られず、世界経済全体において先行き不透明な状況が続いております。こうしたことから、当社グループの主要顧客の間でも、設備投資のタイミングを慎重に見定める動きがうかがえます。顧客の設備投資の動向は当社グループの業績を予想するうえで重要な判断材料となるため、第29期(2021年5月期)の業績予想は現時点で未定とさせていただき、算定可能となった時点で、速やかに公表する方針です。
 足元の視界は不鮮明ですが、その先に目を転じれば、景色は異なってきます。複数のカメラを搭載したスマートフォンの普及が進んでおり、イメージセンサの需要は拡大傾向にあります。5G(第5世代移動通信システム)も、これから普及期を迎えます。中長期的には自動車の自動運転に不可欠となる3Dセンシング(3次元計測)技術向けや、車載向けのイメージセンサへの需要も高まってくることが予想されます。こうしたことから、イメージセンサメーカーの設備投資意欲が高い状況は今後も続くものと考えております。
 また、新型コロナウイルスの影響で稼働率が低下し、印刷機業界は目先の設備投資に慎重な姿勢です。しかしながら、輪転機の経年劣化による買換えが毎年一定数発生するとともに、定期的なメンテナンス需要も見込まれます。現状、この分野には競合他社がほぼ存在せず、いわゆる「残存者利益」として当社グループはこれらの需要を安定的に取込むことも期待できます。
 一方、新規事業として取り組んできたFA画像処理関連とレーザー加工機関連についても、本格的な展開に向けて仮説の検証を進めているところです。FA画像処理関連では、金属製歯車の製造工程で生じた細かな傷などを撮影し、その画像から自動的に不良品を判別するシステムを開発中です。レーザー加工機関連事業では、短パルス光によるアブレーション加工(短時間に光を照射することにより材料への熱ダメージを減少させる加工)技術を用い、セラミックなどの超微細加工機の製品化を計画しています。同事業を推進するため、当社グループは2020年5月にレーザー加工機の開発・製造を手掛ける株式会社ラステックの全株式を取得しました。
新たな中期事業計画を策定したとのことですが、その概要についてご説明願います。
 当社グループは2019年1月に第29期(2021年5月期)を最終年度とする中期事業計画を発表し、その達成に取り組んできました。しかし、今後の事業展開の方針や昨今の経済情勢などを踏まえ、新たに第31期(2023年5月期)を最終年度とする中期事業計画を策定いたしました。新型コロナウイルスの影響で直近の業績は予想が困難ですが、当社グループの中長期的な事業計画に大幅な変更はありません。
 2022年には創業30周年の節目を迎えますし、当社グループのコア技術である「光学技術」を3つの中核事業に生かし、シナジー(相乗効果)を発揮させながら、いっそうの事業の拡大を図ります。まずIoT関連事業ではイメージセンサ市場において技術をさらに進化させ、需要の拡大を取り込みます。また、環境エネルギー事業では紫外光印刷機事業への参入を進め、インダストリー4.0推進事業では前述したFA画像処理関連やレーザー加工機関連の本格展開を図ります。これらの施策を推進し、第31期(2023年5月期)にROE15%以上、売上高100億円以上、営業利益率20%以上の達成を図ることを目標として掲げております。
最後に、株主還元に対する方針についてご説明願います。
 株主還元はこれまで通り重要施策として位置づけており、総還元性向30%の維持につとめてまいります。ただ、当社グループはさらなる事業拡大を図っている途上であり、コロナ禍においても投資を積極的に進めております。現時点においては当社グループの成長を優先とさせて頂き株主還元は企業価値の向上というかたちで果たしてまいりたいと思います。創業者である現会長が築き上げてきたビジネスをしっかりと継承し、いっそうの発展に努める所存ですので、今後ともご指導の程、よろしくお願い申し上げます。